桑名の生きもの【平成23年度】

ベニシジミ(チョウ目シジミチョウ科)(4月)

畑地や河川土手のオオイヌノフグリやハルジョオンなどの花に紅色のシジミチョウが訪れます。春先の個体は小さく、前羽が明るい橙赤色をしています。しかし5月になると、一回り大きな黒っぽい個体が現れます。これは、幼虫期の日照時間が13時間以下では春型が羽化し、14時間を越すと黒化が多い夏型が出現するためです(この写真は、春型です)。このように、季節により色彩・斑紋や大きさが異なるものは、季節型と呼ばれます。

ベニシジミ

ナギ(裸子植物・マキ科)(5月)

暖地の山中に自生しますが、神社や庭に植えられる常緑高木です。市内では、東方の尾野神社(船着神社)境内で見ることができます。旧桑名市街の大部分が海だった大昔、この辺りが船着き場であったと考えられ、航海の安全を祈って、朝凪(あさなぎ)夕凪(ゆうなぎ)を願いこの樹が植えられた気配りが忍ばれます。
また、熊野地方では神木とされ、葉を引っ張っても切れないところから、男女の仲を結びつけるお守りとして鏡の底に葉を入れたものでした。

ナギ

クスノキ(被子植物・双子葉類・クスノキ科)太夫の大楠(6月)-桑名市指定天然記念物(昭和34年7月)-

クスノキはクスとも呼ばれ、暖地に自生する常緑広葉の高木で、カシ、シイ、タブノキと同様に巨大な樹冠を作ります。
太夫の大楠は、地上60cmのところで10.8mの太さがあり、2幹に分かれ今も樹勢は盛んです。(樹高27m、枝張り東西27m、南北28m)
葉をもんでにおいをかぐと樟脳(しょうのう)の香りがします。また、葉の側脈の付け根の部分に小さな昆虫が寄生するため、少し膨らみが見られるのも興味深いものです。

クスノキ

 

アオドウガネ(甲虫目コガネムシ科)(7月)

初夏から盛夏にかけて、ブドウやカキなどの果樹、マメ類の葉の上で多く見られます。緑色の体は、葉上では保護色になっていますが、よく見ると体表面には精巧な彫金模様が施されています。
南方系の昆虫で、同じ仲間が東南アジアに広く分布しています。この地方では、近似種のドウガネブイブイが普通種でしたが、ここ10年ぐらいの間に、完全にとって代わりました。夜行性で灯火に集まる習性があり、ひっくり返ったときの体色が鮮やかな紫色であることも特徴です。

アオドウガネ

 

オカダンゴムシ(等脚目オカダンゴムシ科)(8月)

庭のプランターをどけると、長さ1cmほどの黒っぽい虫が現れ、物陰にかくれるのを見ることがあります。「団子虫」の名で親しまれるこの虫は、エビやカニと同じ甲殻類に属します。近縁のワラジムシと同様、腐植物を食べ、土壌形成に役立っています。
どこにでも見られ古くから日本にいたように思われがちですが、ヨーロッパ原産の帰化生物とされています。しかし、いつどのように日本に渡ってきたのか、よくわかっていません。
オカダンゴムシの前身は、すでに約2億年前(古生代後期)に現れ、海中に生息していました。オカダンゴムシが空気呼吸だけでなくエラ呼吸できるのも、そのころの名残と考えられています。

オカダンゴムシ

 

シマヘビ(有鱗目ナミヘビ科)(9月)

4本の黒い縦じまがあるからシマヘビ。平地から山地、河川、民家周辺などいろいろな場所でくらしています。地表を中心に生活しており、カエルをはじめ、トカゲ、ネズミ、ヘビなどさまざまな生きものを捕えます。水辺にもよく現れ、水泳もなかなかの腕前です。
毒はありませんが、気が強く、相手を威嚇(いかく)するときは、頭を三角にして尾をふるわせます。目が赤く、鋭い目つきは、他のヘビとの見分けをする際のポイントとなります。

シマヘビ

 

ニホンイタチ(ネコ目イタチ科)(10月)

胴長短足でかわいらしい顔をしていますが、獰猛な肉食獣。
あまり見かける機会はありませんが、市街地以外ではどこにでもいます。特に水辺を好み、手足には水かきがあるため泳ぎが得意です。魚やカエル、ザリガニ、昆虫などを食べますが、鳥やその卵、ネズミなどもよく食べます。いたちごっこ、いたちの道切りなど、ことわざにも登場し、古くから私たちの身近なところでくらしていることがうかがえます。

ニホンイタチ

 

ミズカマキリ(カメムシ目タイコウチ科)(11月)

池、沼、川のよどみに生息する。細長い体と足、水中での呼吸に使う長い呼吸器を持っています。
飛行能力が高いため、学校のプールなどに移動することが多いです。その反面、水中の動きはやや鈍く、水草や枯れ枝につかまって移動します。
肉食性で、幼虫はボウフラやアカムシ、成虫は昆虫や魚類など、何でも食べます。

ミズカマキリ

 

シライトソウ(被子植物・単子葉類・ユリ科)(12月)

おもに低山地の林に生育し、5~6月ころに花を咲かせる多年草です。花がない時期は、葉が地表に張り付いたロゼット状になります。たくさんの小さな純白の花がブラシ状につき、白糸草という名前は、細い花弁を白い糸に見立てたものです。
清らかな姿から山野草としても人気がありますが、自然の中で観察し、大切にしたいものです。

シライトソウ

 

ハグロトンボ(トンボ目カワトンボ科)(平成24年1月)

羽が黒いことが特徴で、色がお歯黒に似ていることから、この名がついたと言われています。
幼虫(ヤゴ)は、体長2から3cmで、春から夏にかけて水草の多い水のきれいな川に見られます。3本の尾のようなものは、呼吸のためのエラです。
トンボのヤゴの形は、種類によってかなり異なるので、観察には水生昆虫図鑑を持って出かけた方がよいでしょう。
また、成虫は、メスの全身が黒褐色であるのに対し、オスの胴体は金緑色でとてもきれいです。

ヤゴ 成虫
(ヤゴ)               (成虫のオス)

ハシボソガラス(スズメ目カラス科)(2月)

市内で見られるカラスの仲間には、写真のハシボソガラス以外に、ハシブトガラス・カケスなどがいます。カケスは、「ジェージェー」というしわがれた声で鳴きます。また、いろいろな鳥の鳴き真似もします。ハシボソガラスとハシブトガラスは一緒に行動することもあり、これらはまとめてカラスと呼ばれています。
「ハシボソ」「ハシブト」の名前は、嘴(くちばし)が細いか太いかの違いを表しています。おでこの形にも違いがあり、ハシボソガラスは平らですが、ハシブトガラスは盛り上がっています。

ハシボソガラス

 

アオサギ(コウノトリ目サギ科)(3月)

サギの仲間で一番大きいサギです。カエルや昆虫、川の魚などを食べています。小さいネズミも食べることがあります。青みがかった灰色の羽毛で被われていることから、この名がついたと言われています。
白いサギ(ダイサギ・チュウサギ・コサギなど)やゴイサギなど、サギの仲間は私たちの身近なところで見ることができます。

アオサギ