桑名の生きもの【平成27年度】

キブシ (被子植物・双子葉類・キブシ科)(4月)

野山の斜面などでよく見られる落葉樹です。
早春、他の花に先立ち、枝先に黄緑色の釣鐘状の花房が垂れ下がっています。
樹勢は旺盛で3~4m位の高さに伸びた枝に多数つけた花房は見事なものです。
雌雄異株で、め花はお花よりも小さく緑色を帯びています。
果実は熟すと黄色の堅い球形(9月)になります。
以前は干して粉にしたものを、黒色染料として使っていたといいます。 

【キブシの花房】                 【キブシの実】

ハンミョウ(ハンミョウ科)(5月)

地面の上にこんなに美しいムシがいたのか。ハンミョウを、はじめて見たときの印象です。
その姿はまるで宝石のよう。乾燥した砂地を好み、人が歩くたびに前へ前へと飛んで、道を教えてくれるようにとまることから「ミチオシエ」ともいいます。
最近では、丘陵地の道も舗装され、ハンミョウの生息場所はめっきり少なくなりましたが、探せば桑名でもまだ見つかります。

ハンミョウ

イセノナミマイマイ(オナジマイマイ科)(6月)

「でんでん虫々かたつむり お前の頭はどこにある 角だせ槍だせ頭だせ」と、童謡に歌われたカタツムリ(マイマイ)。ナメクジと同じ陸上にすむ貝の仲間です。カタツムリは、どことなく愛嬌があって子どもに好かれますが、野菜や花壇の植物を食い荒らすため農家には嫌われています。写真は、三重県の古名がついた大型のマイマイの仲間で、濃尾平野周辺や伊勢志摩・滋賀・京都などに分布しています。

イセノナミマイマイ

 

アマガエル(カエル目アマガエル科)(7月)

田んぼに水が張られるといっせいに聞こえてくるアマガエルの鳴き声。
雨が近づき、湿度が上がると反応して鳴き出すことから“雨蛙”とされたのが、名前の由来です。
オタマジャクシからカエルになり、しばらく田んぼで過ごした後、周囲の雑木林や草むら、畑などに移動してくらします。小さな昆虫やクモを食べ、動かないものは食べません。
目の前後にある茶色い模様が目印。普段は緑色ですが、土や石の上では茶色や灰色に体の色を変えます。

アマガエル

アライグマ(食肉目アライグマ科)(8月)

アニメで人気になったアライグマ。北米原産の外来生物です。
気性は荒く、人になつくことはないため、ペットとして飼育されていたものが捨てられるなどして野生化しています。
雑食性で小型のホ乳類、両生類、ハ虫類、鳥類やその卵、魚類、昆虫類などのほか、農作物も食べることから農業被害も出ています。
空き家にすみつき、飼われているコイや金魚を食べたり、ゴミをあさるなど、引き起こされる問題はたくさんあります。
2005年には特定外来生物に指定され、現在輸入や飼育が原則禁止されています。

アライグマ

アキアカネ(トンボ目トンボ科)(9月)

暑い夏が過ぎる頃になると田んぼ周辺にはトンボの仲間が飛び交うようになります。
鈴鹿山脈で夏を過ごしたアカネ属は中秋の頃、雌雄がキの字型になり山を下ります。
オレンジ色だった体色も赤くなりアカトンボらしくなります。また、産卵飛行の群れは数万ともいわれ鈴鹿山脈から伊勢湾に向かって飛行し、水田に帰ってきたカップルは浅い水たまりの田んぼに産卵します。アカネ属も最近減少しているのが、気がかりです。

アキアカネ

 

アオマツムシ(バッタ目マツムシ科)(10月)

秋の夜長に小枝から「リリーリーリー」と鳴く虫の音を耳にすることがあります。
明治時代、中国から渡来した外来種で、明治31年に東京で発見されて以来、名古屋、京都、大阪、福岡などの大都市に広がりました。その後、一時姿を消しましたが、昭和50年になり、道路網の広がりとともに再び増えてきました。県内では昭和27年に伊勢市で発見されてから、広く分布しています。桜など落葉広葉樹の葉を好んで食します。

アオマツムシ

 

ヒヨドリ(スズメ目ヒヨドリ科)(11月)

灰色の羽毛に覆われ、くちばしが黒いのが特徴です。畑の野菜を食べるので、農家には嫌われますが、野菜につく虫もたくさん食べています。
桑名市では一年中観察できますが、北海道では夏しか見ることができません。
生息が日本周辺に限られるため、日本に来たら観察したい鳥として、海外の人には有名です。

ヒヨドリ

ムクドリ(スズメ目ムクドリ科)(12月)

体全体が、灰黒色で茶色が混ざります。
一部、白い部分もあり、足とくちばしは黄色いです。また、果物を好んで食べます。
夕方になると集団でねぐらの街路樹に留まり、上からフンを落とすので嫌われています。
しかし、作物などにつく虫をたくさん食べることも知られていて、益鳥とも言われています。

ムクドリ

 

チャミノガ(ミノガ科)(平成28年1月)

梅の木の枝に、小さなミノムシが風に揺れています。冬越しをするチャミノガの幼虫です。ミノムシのオスは、成虫になるとガとなって空を飛ぶことができますが、メスとして生まれたミノムシは生涯、ミノからでることはありません。ミノから頭だけだしフェロモンでオスを呼び寄せ、首尾良くオスと交尾できたメスだけがミノの中に卵を産むのです。
ミノムシにはオオミノガとチャミノガがいて、大型のオオミノガは近年急速に数を減らしています。中国から渡ってきたオオミノガヤドリバエという寄生者に襲われたのが原因と言われています。

チャミノガ

 

ナミテントウ(テントウムシ科)(2月)

この時期、家の中でテントウムシを見つけることがあります。越冬中のナミテントウです。室温が高いと真冬でも体を動かし飛翔します。ナミテントウやナナホシテントウは、植物の汁を吸うアリマキを食べる肉食性。一方、ニジュウヤホシテントウやオオニジュウヤホシテントウなどは、トマトやナスの葉を食べる草食性。前者は益虫として大切に扱われ、後者は害虫として嫌われます。とかくヒトとの付き合いは難しい。テントウムシの世界ではしばらく草食性昆虫受難の時代が続きそうです。

ナミテントウ

 

ウシガエル(カエル目 アカガエル科)(3月)

アメリカ合衆国東部・中部、カナダの南東部が原産。特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)により、特定外来生物に指定されています。さらには、世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合)・日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会)に指定されています。
1918年、アメリカ南部の町ニューオーリンズからやってきました。当初は野生化させ、それを捕獲・加工し輸出が行われていました。その後、戦争をはさみ紆余曲折の末、産業としての役目は終えました。しかし、環境の変化に強く、繁殖力も高く、口に入る生きものなら何でも食べてしまうため、生態系への影響が非常に大きく問題となっています。
なお、アメリカザリガニはこのカエルのエサとして1930年ごろ持ち込まれ野生化しました。 

ウシガエル