1.工業の概況

 桑名市の工業は、「機械工業」と「金属工業」が二大産業として有名です。戦前の軍需産業の流れをくむ機械工業、江戸時代から続く鋳物づくりに加え、豊富な農林水産物を加工する「食料品製造業」やI T産業などの新産業分野も当市の工業の中枢を占めるようになりました。
 琺瑯(ホーロー)鉄器やボールベアリングは桑名で考案された代表的な製品です。近年では、小惑星探査機”はやぶさ”やスーパーコンピュータの一部が市内工場で製造されるなど世界のものづくりをリードする企業もあります。

2.桑名市の工業のすがた

 桑名市の工業を「工業統計調査」に基づいてみてみましょう。

(1)事業所数・従業者数・製造品出荷額等・付加価値額

 三重県には3,447社の製造業事業所があり、そこで約20万人の方が働いています。このうち、桑名市には304社(県全体の8.8%)、12,625人(県全体の6.3%)の方が働いています。

 製造品出荷額等は、三重県の105,034億円のうち、桑名市は3,931億円(県全体の3.7%)を占めています。付加価値額は、三重県の34,077億円のうち、桑名市は1,549億円(県全体の4.5%)を占めています。

表1(H30年工業統計調査を引用)

  事業所数 従業者数 製造品出荷額等 付加価値額
(社) % (人) % (億円) % (億円) %
三重県 3,447 200,475 105,034 34,077
桑名市 304 8.8 12,625 6.3 3,931 3.7 1,549 4.5

 

(2)事業所の規模

 次に事業所の規模を従業者数別で見てみましょう。
 資本金を考慮せずに従業者数のみで考えると、市内304社のうち、従業員数300人以上の大規模事業所はわずか6社(2.0%)で、残りの298社(98.0%)は中小規模事業者であることがわかります。
 また、製造品出荷額等は、従業者数が多い事業所ほど多くなる傾向がみられ、従業者数が300人以上の事業所6社で桑名市全体の45.7%を占めています。

表2(H30年工業統計調査を引用)
  事業所数 従業者数 製造品出荷額等
(社) % (人)   % (億円) % 1社あたりの平均額
三重県 3,447 200,475 105,034  30.4億円/社
桑名市 304 100.0 12,625 100.0 3,931 100.0  12.9億円/社
内訳    4~9人 109 35.9 653 5.2 71 1.8 0.6億円/社
10~19人 72 23.7 973 7.7 126 3.2 1.7億円/社
  20~29人 44 14.4 1,046 8.3 199 5.1 4.5億円/社
   30~49人 29 9.5 1,146 9.1 222 5.6 7.6億円/社
  50~99人 26 8.6 1,810 14.3 1,002 25.5 38.5億円/社
100~299人 18 5.9 2,588 20.5 515

13.1

28.6億円/社
 300人以上 6 2.0 4,409 34.9 1,796 45.7 299.3億円/社

(3)桑名市で盛んな製造業

 桑名市ではどんな業種の製造業が多いのでしょうか?
 事業所数、従業者数、製造品出荷額等、付加価値額について、上位5業種をみてみましょう。
事業所数では、金属製品や生産用機械、従業員数では食料品やはん用機械が上位を占めていることがわかります。
また、当市の特徴としては、地場産業が活躍されていることがわかります。
製造品出荷額等や付加価値額では、電子産業、機械産業が上位を占めています。

表3(H30年工業統計調査を引用)
  事業所数 従業者数 製造品出荷額等 付加価値額
(社) (人) (億円) (億円)
1位 金属製品 食料品 電子部品・デバイス 電子部品・デバイス
54 2,574 693 337
2位 生産用機械 はん用機械 はん用機械 はん用機械
42 2,278 662 216
3位 食料品 生産用機械 食料品 生産用機械
39 1,293 499 196
4位 輸送用機械器具 輸送用機械器具 生産用機械 食料品
35 1,167 419 182
5位 鉄鋼 電子部品・デバイス 業務用機械 業務用機械
18 1,020 419 171

 

(4)今と昔の比較

 近年の桑名市の工業の発展を平成10年と平成30年と比較してみましょう。
 事業所数はこの20年間で289社(48.7%)、従業者数は1,634人(11.5%)減少しています。これを事業所規模別にみますと、従業者数が4~9人の事業所は246社(69.3%)減少するなど小規模な事業所ほど減少していることがわかります。
 一方、製造品等出荷額等や付加価値額はいずれもおよそ4割増加しております。

表4(H10、30年工業統計調査を引用)
  平成10年 平成30年 増減
増減数 H10年=100
事業所数 (社) 593 304 ▲ 289 51.3
従業者数 (人) 14,259 12,625 ▲ 1,634 88.5
製造品出荷額等 (億円) 2,819 3,931 1,112 139.4
付加価値額 (億円) 1,102 1,549 447 140.6

   注)平成10年は、桑名市、多度町、長島町の合計値

 

表4-1(H10、30年工業統計調査を引用)
  平成10年 平成30年 増減
増減数 H10年=100
事業所数 593 304 ▲289 51.3
内訳 4~9人 355 109 ▲ 246 30.7
10~19人 114 72 ▲ 42 63.2
20~29人 54 44 ▲ 10 81.5
30~49人 29 29 0 100.0
50~99人 21 26 5 123.8
100~299人 16 18 2 112.5
300人以上 4 6

2

150.0

   注)平成10年は、桑名市、多度町、長島町の合計値

  それでは、ここ10年間の推移を見てみましょう。事業所数は減少傾向が続いています。これは、後継者不足や不採算による閉鎖、コストカットのために海外へ移転したことなどが背景にあるものと推察されます。従業者数は減少傾向にあります。しかし、平成24年と比較すると増加しており、新たに誘致された事業所により地域内雇用が創出されていることがわかります。

表5(H20、24、30年工業統計調査を引用)
  平成20年 平成24年 平成30年
事業所数 (社)

420

343

304

従業者数 (人) 13,699 11,854

12,625

製造品出荷額等 (億円) 5,247 4,924 3,931
付加価値額 (億円) 2,111 2,335 1,549

 


表5-1(H20、24、30年工業統計調査を引用)
  平成20年 平成24年 平成30年
桑名市(事業所数) 420 343 304
内訳 4~9人 210 152 109
10~19人 95 82 72
20~29人 42 46 44
30~49人 23 26 29
50~99人 33 16 26
100~299人 12 17 18
300人以上 5 4 6
 桑名市は、ものづくりの裾野を支える中小零細規模の製造業の皆さんがたくさんご活躍されております。古くから盛んな鋳物工業や水産加工品など食料品製造業は桑名市に根ざした地場産業として栄えてきました。今後AI・IoT・ロボット等の進展による世界的な競争環境の変化・ビジネス変革が始まっているなど製造業を取り巻く環境は厳しさが増えておりますが、市ではこれらの事業者の皆さんをサポートする環境づくりや企業誘致を更に進め、新しい先端技術産業の集積や地域内雇用の創出に努めていきます。

(注)

  1. 工業統計調査は経済産業省が毎年実施する調査で、平成30年、24年、20年、10年のものを引用しました。(基準日は毎年12月31日現在)
  2. 各表中、表示単位未満は切捨てしています。
  3. 用語の定義(経済産業省HPから引用)
    製造品出荷額等
    調査対象期間における製造品出荷額、加工賃収入額、その他収入額及び製造工程からでたくず及び廃物の出荷額の合計であり、消費税等内国消費税額を含んだ額である。
    付加価値額
    (1) 従業者30人以上
    付加価値額=製造品出荷額等+(製造品年末在庫額-製造品年初在庫額)+(半製品及び仕掛品年末価額-半製品及び仕掛品年初価額)-(消費税を除く内国消費税額(*1)+推計消費税額(*2))-原材料使用額等-減価償却額
    (2) 従業者29人以下
    粗付加価値額=製造品出荷額等-(消費税を除く内国消費税額+推計消費税額)-原材料使用額等