更新日: 2024年2月5日

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桑名市の工業

1.工業の概況

桑名市の工業は、「機械工業」と「金属工業」が二大産業として有名です。戦前の軍需産業の流れをくむ機械工業、江戸時代から続く鋳物づくりに加え、IT産業などの新産業分野や豊富な農林水産物を加工する「食料品製造業」も当市の工業の中枢を占めるようになりました。
琺瑯(ホーロー)鉄器やボールベアリングは桑名で考案された代表的な製品です。小惑星探査機”はやぶさ”やスーパーコンピュータの一部が市内工場で製造されるなど世界のものづくりをリードする企業もあります。

2.桑名市の工業のすがた

桑名市の工業を「2022年経済構造実態調査」に基づいてみてみましょう。

(1)事業所数・従業者数・製造品出荷額等・付加価値額

三重県には3,867社の製造業事業所があり、そこで約20万人の方が働いています。このうち、桑名市には334社(県全体の8.6%)、12,446人(県全体の6.0%)の方が働いています。

製造品出荷額等は、三重県の110,343億円のうち、桑名市は3,852億円(県全体の3.4%)を占めています。付加価値額は、三重県の36,060億円のうち、桑名市は1,786億円(県全体の4.9%)を占めています。

表1(2022年経済構造実態調査を引用)
  事業所数 従業者数 製造品出荷額等 付加価値額
(社) % (人) % (億円) % (億円) %
三重県 3,867 204,601 110,343 36,060
桑名市 334 8.6 12,446 6.0 3,852 3.4 1,786 4.9


(2)桑名市で盛んな製造業

桑名市ではどんな業種の製造業が多いのでしょうか?
事業所数、従業者数、製造品出荷額等、付加価値額について、上位5業種をみてみましょう。
事業所数では、金属製品や生産用機械、従業員数では食料品やはん用機械が上位を占めていることがわかります。また、当市の特徴としては、地場産業が活躍されていることがわかります。
製造品出荷額等や付加価値額では、はん用機械、電子産業、食料品が上位を占めています。

表2(2022年経済構造実態調査を引用)
  事業所数 従業者数 製造品出荷額等 付加価値額
(社) (人) (億円) (億円)
1位 生産用機械器具 食料品 はん用機械器具 電子部品・デバイス・電子回路

58

2,474 735 487
2位 金属製品 はん用機械器具 電子部品・デバイス・電子回路 はん用機械器具

51

2,019 715 314
3位 輸送用機械器具 輸送用機械器具 食料品 食料品
36 1,574 422 197
4位 食料品 電子部品・デバイス・電子回路 鉄鋼 輸送用機械器具
27 1,342 410 151
5位

鉄鋼

生産用機械器具 輸送用機械器具 生産用機械器具
24

1,286

385 139

(3)事業所の規模

次に事業所の規模を従業者数別で見てみましょう。
資本金を考慮せずに従業者数のみで考えると、市内313社のうち、従業員数300人以上の大規模事業所はわずか6社(1.9%)で、残りの307社(98.1%)は中小規模事業者であることがわかります。
また、製造品出荷額等は、従業者数が多い事業所ほど多くなる傾向がみられ、従業者数が300人以上の事業所6社で桑名市全体の45.1%を占めています。

表3(2020年工業統計調査を引用)
  事業所数 従業者数 製造品出荷額等
(社) % (人) % (億円) % 1社あたりの平均額
三重県 3,398 207,694 107,172 31.5億円
桑名市 313 100.0 13,254 100.0 4,060 100.0 12.9億円
内訳 4~9人 113 36.1 692 5.2 84 2.1 0.7億円
10~19人 75 24.0 1,014 7.7 137 3.4 1.8億円
20~29人 43 13.7 1,067 8.0 216 5.3 5.0億円
30~49人 31 9.9 1,195 9.0 268 6.6 8.6億円
50~99人 26 8.3 1,797 13.6 815 20.1 31.3億円
100~299人 19 6.1 2,938 22.2 707

17.4

37.2億円
300人以上 6 1.9 4,551 34.3 1,833 45.1 305.3億円

(4)今と昔の比較

近年の桑名市の工業の発展を平成10年と平成30年と比較してみましょう。
事業所数はこの20年間で289社(48.7%)、従業者数は1,634人(11.5%)減少しています。これを事業所規模別にみますと、従業者数が4~9人の事業所は246社(69.3%)減少するなど小規模な事業所ほど減少していることがわかります。
一方、製造品等出荷額等や付加価値額はいずれもおよそ4割増加しております。

表4(H10、30年工業統計調査を引用)
  平成10年 平成30年 増減
増減数 H10年=100
事業所数 (社) 593 304 −289 51.3
従業者数 (人) 14,259 12,625 −1,634 88.5
製造品出荷額等 (億円) 2,819 3,931 1,112 139.4
付加価値額 (億円) 1,102 1,549 447 140.6

注)平成10年は、桑名市、多度町、長島町の合計値

表4-1(H10、30年工業統計調査を引用)
  平成10年 平成30年 増減
増減数 H10年=100
事業所数 593 304 −289 51.3
内訳 4~9人 355 109 −246 30.7
10~19人 114 72 −42 63.2
20~29人 54 44 −10 81.5
30~49人 29 29 0 100.0
50~99人 21 26 5 123.8
100~299人 16 18 2 112.5
300人以上 4 6

2

150.0

注)平成10年は、桑名市、多度町、長島町の合計値

それでは、ここ10年間の推移を見てみましょう。事業所数は減少傾向が続いています。これは、後継者不足や不採算による閉鎖、コストカットのために海外へ移転したことなどが背景にあるものと推察されます。従業者数は減少傾向にあります。しかし、平成24年と比較すると増加しており、新たに誘致された事業所により地域内雇用が創出されていることがわかります。

表4-2(H20、24、30年工業統計調査を引用)
  平成20年 平成24年 平成30年
事業所数 (社)

420

343

304

従業者数 (人) 13,699 11,854

12,625

製造品出荷額等 (億円) 5,247 4,924 3,931
付加価値額 (億円) 2,111 2,335 1,549
表4-3(H20、24、30年工業統計調査を引用)
  平成20年 平成24年 平成30年
桑名市(事業所数) 420 343 304
内訳 4~9人 210 152 109
10~19人 95 82 72
20~29人 42 46 44
30~49人 23 26 29
50~99人 33 16 26
100~299人 12 17 18
300人以上 5 4 6

桑名市は、ものづくりの裾野を支える中小零細規模の製造業の皆さんがたくさんご活躍されております。古くから盛んな鋳物工業や水産加工品など食料品製造業は桑名市に根ざした地場産業として栄えてきました。今後AI・IoT・ロボット等の進展による世界的な競争環境の変化・ビジネス変革が始まっているなど製造業を取り巻く環境は厳しさが増えておりますが、市ではこれらの事業者の皆さんをサポートする環境づくりや企業誘致を更に進め、新しい先端技術産業の集積や地域内雇用の創出に努めていきます。

  1. 工業統計調査は経済産業省が毎年実施する調査で、2020年、平成30年、24年、20年、10年のものを引用しました。(基準日は毎年12月31日現在)※工業統計調査は2020年調査をもって廃止となりました。
  2. 経済構造実態調査は経済産業省毎年実施する(5年に1度実施する経済センサス-活動調査を実施する年を除く)​​​​​調査で、2022年のものを引用しました。(基準日は毎年12月31日現在)
  3. 各表中、表示単位未満は切捨てしています。
  4. 用語の定義(経済産業省HPから引用)
    製造品出荷額等
    調査対象期間における製造品出荷額、加工賃収入額、その他収入額及び製造工程からでたくず及び廃物の出荷額の合計であり、消費税等内国消費税額を含んだ額である。
    付加価値額
    (1)従業者30人以上
    付加価値額=製造品出荷額等+(製造品年末在庫額-製造品年初在庫額)+(半製品及び仕掛品年末価額-半製品及び仕掛品年初価額)-(消費税を除く内国消費税額(*1)+推計消費税額(*2))-原材料使用額等-減価償却額
    (2)従業者29人以下
    粗付加価値額=製造品出荷額等-(消費税を除く内国消費税額+推計消費税額)-原材料使用額等

お問い合わせ

産業振興部 商工課

電話番号:0594-24-1199

ファックス番号:0594-24-1140