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村正生誕の地~走井山を歩く

走井山と千子村正

中世末期、桑名の刀工・千子村正は、走井山山麓に住んでいたという伝承があります。
彼の母が走井山の千手観音に祈って生まれた事にちなんだことから「千子」と称するようになったというのです。

走井山には文字通り「水が走り出でる井戸」があったと言われ、刀鍛冶に必要な豊富な地下水があり、江戸時代には桑名藩の藩主の飲料水として毎日城まで運ばれていました。また、近くには明治の豪商・諸戸清六が整備した「諸戸水道貯水池」が現在も残っています。

そんな村正生誕の地・走井山には、ちょっと不思議なスポットがたくさん。のんびりおさんぽしてみませんか?

目次

 

勧学寺

勧学寺

天平年間、行基の草創と言われています。戦国時代、このあたりは矢田城があったところで、織田信長によって滅ぼされました。
現在のお堂は桑名藩主・松平定重によって再建されたもので、現存する寺社建築としては桑名市で最も古いと言われています。

太子堂

聖徳太子像

聖徳太子は大工の神様とも言われています。
このお堂は明和年中(1764)に桑名惣大工中によって建立され、平成2年の火災後、現代の大工・桑名建築組合の皆さんによって再建されたもの。
奇跡的に焼け残った太子像、実は過去に盗難にあったとか。残された台座と足の形がぴったりと合った事から無事桑名に帰ってくることができたそうです。
太子像は聖徳太子の命日である2月22日と、十日観音の公開に合わせた8月10日頃に公開されます。

仏足石

仏足石

仏足跡とはお釈迦さまの足裏の跡を石に刻んで、礼拝の対象としたものです。観学寺の仏足石は江戸時代末期のもので一枚岩に彫られています。

庚申碑

庚申碑

江戸時代、暦が庚申(かのえさる)の日は寝ずにお参りをする「庚申講」が一大ブームとなりました。走井山には当時つくられた庚申碑が市内各地から集められています。馬道駅のすぐ側にも、「みざる・きかざる・いわざる」の三猿の碑が置かれています。見つけられるかな?

へその緒観音

へその緒観音

生まれた子どものへその緒を奉納する観音様です。
中には小さな観音様がたくさんいらっしゃいますよ。

北勢線に乗ってみよう

桑名駅から走井山まで徒歩7分で移動できますが、せっかくなので桑名が誇るローカル鉄道・三岐鉄道北勢線での移動をおすすめします。
北勢線は線路幅がたった762mmのナローゲージ。全国的にもめずらしく、たくさんの鉄道ファンに愛されています。
桑名駅に隣接する三岐鉄道「西桑名駅」から「馬道駅」まで1駅です。

馬道駅

馬道駅を降りるとすぐ走井山です

三岐鉄道北勢線

線路幅に合わせて車体もスリム

特集 くわなの過ごしかた。

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掲載日:2022年12月8日

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