更新日: 2025年1月28日
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桑名市の石綿(アスベスト)対策
石綿(アスベスト)とは
天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で、蛇紋岩系の「クリソタイル」と角閃石系の「アモサイト」などがあります。断熱性、耐薬品性、防音性、絶縁性等の諸特性に優れているため、建設材料・自動車・家庭用品等3,000種を超える利用形態があると言われています。
アスベスト含有製品には、多くの種類があり、輸入されたアスベストの90%以上は建築材料として建築物等に使用されてきました。
このうち飛散性の吹き付け石綿は、石綿にセメントなどの結合材と水を加え混合し、吹き付け機を用いて吹き付けたもので、おおむね昭和30年頃~昭和50年頃まで、また昭和55年以降に施工された吹き付けロックウールにも含有されている可能性があります。
建築資材には、非飛散性の石綿もありますので、解体時には注意が必要です。
施工部位 | 石綿含有建設材料の種類 |
---|---|
天井や壁の内装材 | スレートボード、けい酸カルシウム板第一種、パルプセメント板 |
天井や床の吸音断熱材 | 石綿含有ロックウール吸音天井板、石綿含有吹き付け材 |
天井の結露防止材 | 屋根折版用断熱材、石綿含有吹き付け材 |
床材 | ビニル板タイル、フロア材 |
外壁や軒天の外装材 | 窒業系サイディング、スラグせっこう板、押出成形セメント板、スレートボード、スレート波板、けい酸カルシウム板第一種 |
耐火被覆材 | 吹き付け石綿、石綿含有吹き付けロックウール、石綿含有耐火被覆板、けい酸カルシウム板第二種 |
屋根材 | スレート波板、住宅屋根用化粧スレート |
煙突材 | 石綿セメント円筒、石綿含有煙突断熱材 |
健康への影響は
現在、アスベストばく露に関連あるとして確認されている疾病は、石綿肺・肺がん・悪性中皮腫の3疾病に加え、良性胸膜疾患として、胸膜炎・びまん性胸膜肥厚などがあり、いずれも空気中に浮遊するアスベストを吸入することにより発生すると言われています。
石綿の管理
労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)及び労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)の規定に基づき、並びに同法を実施するため、石綿障害予防規則では、次のとおり規定しています。
事業者の責務
第一条
事業者は、石綿による労働者の肺がん、中皮腫その他の健康障害を予防するため、作業方法の確立、関係施設の改善、作業環境の整備、健康管理の徹底その他必要な措置を講じ、もって、労働者の危険の防止の趣旨に反しない限りで、石綿にばく露される労働者の人数並びに労働者がばく露される期間及び程度を最小限度にするよう努めなければならない。
第二条
事業者は、石綿を含有する製品の使用状況等を把握し、当該製品を計画的に石綿を含有しない製品に代替するよう努めなければならない。
建築物又は工作物解体時の義務
労働安全衛生法石綿障害予防規則
石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材等の除去作業を行うときは、あらかじめ労働基準監督署長への届出が必要です。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
吹き付け石綿等飛散性石綿は、特別管理産業廃棄物として処分が必要です。また、非飛散性石綿廃棄物については、「非飛散性アスベスト廃棄物の取り扱い関する技術指針」(環境省作成)による取り扱いが必要です。
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建築リサイクル法)
床面積が80平方メートル以上の建築物の解体工事、請負代金1億円以上のリフォーム工事等吹き付け石綿の付着物の有無を事前に調査し、市長又は知事への届出が必要です。
大気汚染防止法
特定建築材料(吹付け石綿、石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材)が使用されている建築物等を解体する作業、改造し又は補修する作業については、県知事への届出が必要です。
その他届出等の必要のない簡易な作業
届出等の必要のない簡易な日曜大工やリホーム作業でも、アスベストが飛散する場合が考えられます。
例えば、自宅や倉庫のスレート屋根や壁を塗り替える前の高圧洗浄作業。スレート・石膏ボード・保温材など切断・破砕を伴う部分交換作業等。作業場所や作業状況によっては、周辺への飛散も考えられます。
アスベストによる健康被害をなくすため、簡易な日曜大工やリホーム作業を行う場合でも事前に建築業者や設計図書などでアスベストの使用の有無を確認して下さい。
市の施設の調査結果について(平成23年10月1日現在)
市では、平成17年度に市有施設について吹き付けアスベストの使用実態調査を行っております。
その結果、市有施設における吹き付けアスベスト使用が認められた15施設について順次除去対策を行って参りました。
その後、平成20年の年明けに「国内で使用されていないとされたトレモライトなど3種類のアスベストについて、都道府県や政令市などの75%が調査していなかった」との報道がなされました。また、平成20年6月20日に建材製品中のアスベスト含有率測定方法のJISの改正・公示が行なわれました。このことにより、市では平成17年度に係る追加調査(32箇所)を行うとともに、吹き付けバーミキュライト等の使用実態についても再調査(319箇所)を順次実施しました。調査の結果、新たに基準値を超えるアスベストの使用が認められた施設については次表のとおりです。
施設名 | 使用箇所 | 使用材料名 | 定量分析結果 (%) |
空気中の濃度 (本/ℓ) |
対策 |
---|---|---|---|---|---|
長島B&G海洋 センター |
体育館倉庫 | 屋根用折板裏打ち材 | クリソタイル85% | クリソタイル 0.6本未満 |
維持保全計画書 により対応 |
中央公民館 | 1階トイレ | アスベストラフトン 吹き付け |
アモサイト7.7% クリソタイル0.8% |
クリソタイル 0.5本未満 アモサイト 0.5本未満 |
維持保全計画書 により対応 |
身障者用トイレ | |||||
2階トイレ | |||||
1階湯沸し室 | |||||
2階湯沸し室 | |||||
2階日本間 | アスベストジュラクサテン 吹き付け |
アモサイト0.2% | アモサイト 0.5本未満 |
維持保全計画書 により対応 |
|
長島総合支所 | 1階ホール・階段 | ミクライト吹き付け | クリソタイル5.3% | クリソタイル 0.5本未満 |
維持保全計画書 により対応 |
2階ホール・階段 | |||||
3階ホール・階段 | |||||
大会議室 | |||||
議場 |
調査は、定性分析、定量分析、空気中の飛散濃度と順を追って進めました。空気中の飛散濃度は、最大で0.6本/ℓ未満であり、基準値(10本/ℓ)を大きく下回っており大気と変わらない水準でした。
今後の対応について、これらの吹き付け材については、劣化が無い限り、空気中への飛散がなく、財団法人日本建築センターの「改訂既存建築物の吹き付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説2006」によれば、「直ちにアスベスト飛散防止処理工事を実施する必要はなく、維持管理を行なう」とされています。
市では、この指針に基づき、今後、健康被害が生じないよう各施設において「維持保全計画書」を作成し、定期的な点検・検査を行ない、必要な対策を講じて参ります。
施設名 | 使用箇所 | 空気中の濃度(本/ℓ) |
---|---|---|
長島B&G海洋センター | 体育館倉庫 | クリソタイル0.3本未満 |
中央公民館 | 1階トイレ | クリソタイル0.3本未満 アモサイト0.3本未満 |
身障者用トイレ | ||
2階トイレ | ||
1階湯沸し室 | ||
2階湯沸し室 | ||
2階日本間 | アモサイト0.3本未満 | |
長島総合支所 | 1階ホール・階段 | クリソタイル0.3本未満 |
2階ホール・階段 | ||
3階ホール・階段 | ||
大会議室 | ||
議場 |
アスベスト相談窓口・リンク集
相談内容 | 窓口 | 連絡先 |
---|---|---|
建築物の解体等の規制に関すること | 都市整備課 | 24-1295 |
アスベスト廃棄物の処理に関すること アスベスト含有家庭用品の廃棄について |
環境対策課 | 24-1436 |
健康相談に関すること | 保健医療課 | 24-1182 |
その他受付窓口 |
環境対策課 |
24-1183 |
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