更新日: 2024年10月9日
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放置竹林対策(SDGs推進事業)
【桑名市の放置竹林について】
桑名市における竹、タケノコの歴史
<概要>
三重県桑名市は昔からタケノコの産地として栄え、美しい竹山と里山が広がっていました。しかし、高齢化や経済情勢の変化により放置竹林が増え、そのことによる様々な問題が出てくるようになりました。現在桑名市はそのような放置竹林の問題を解消し、持続可能な事業の創出のために様々な取組を進めています。
<桑名市の竹の歴史>
桑名市では古来より自生している竹はあるものの、約100年前に稲作の閑散期に収入を得られるよう、当時の農家さんが京都から竹を移植してタケノコを生産したと言われており、それが桑名市で竹が広がった始まりと考えています。
<タケノコの生産状況>
三重県はタケノコの生産量が全国で9位(令和2年)で、そのほとんどが桑名市産です。「桑名特選たけのこ」はJAみえきたによりブランド化され、全国の市場や飲食店などで取り扱われています。
桑名市の竹林面積と放置面積
<桑名市の竹林面積>
桑名市内の竹林面積は約660ha(約6,600,000平方メートル)あり、そのうちタケノコ畑として管理されている竹林は約65ha(650,000平方メートル)あります(桑名市調べ)。単純計算すると約600haの竹林が放置されている状態と推測しています。
桑名市の「竹害」
<自然災害>
近年の台風や長時間まとまった雨が降ると、土砂崩れの発生などが懸念されていますが、桑名市では傾斜のある竹林でそういった災害が増えています。竹は根が浅く、横に広がる植物なので地面の保水力を低下させ、まとまった雨などで竹ごと地面が滑ってしまうことがあります。
<自然環境への影響>
竹の繁殖力は強く、根が横に広がることで里山や森林を侵食しています。一度浸食が広まれば、竹の葉は日光を遮り、元あった草木を枯らせてしまうことが問題となっています。
<生活環境への影響>
竹の浸食は市民の生活圏にまで及ぶことがあり、枝葉や根が住宅敷地への侵入することや、風雨や降雪などにより竹が生活道路に倒れこむ事案などが多く発生しています。対処は所有者が適切に除去しなければなりませんが、所有者がわからない竹林もあり問題を難しくしています。
<害獣の温床>
農作物被害を引き起こすイノシシやシカ、サルといった害獣が姿を隠しやすい場所として放置された竹林が挙げられます。荒れた竹林近辺ではそういった獣害が頻繁に発生しており、農業者の経営にまで影響が出てきています。
【桑名市の対策】
<概要>
放置竹林を減少させるためには竹に価値を持たせ、資源として経済的に循環させることが重要です。桑名市は持続可能な竹やタケノコの資源循環の仕組みづくりに取り組んでいます。
平成28年度「桑名竹取プロジェクト」始動
桑名市の地方創生の主要事業として「桑名竹取プロジェクト推進事業」に取り組みました。放置竹林対策に協力していただくため産官学金の協議会を設立し、様々な議論やテスト事業を展開しました。また、桑名市の放置竹林対策に役立つ基本的な知見を得ることができました。
平成30年度「竹資源循環創出推進事業」
NPO法人、企業、JAと包括連携協定締結
竹バイオマスプラスチック製造に向けた協力体制の構築
竹資源を実用化するために、NPO法人桑竹会、JAみえきたとバイオマスプラスチックを特殊な技術で製造する企業とで連携して、桑名の竹を材料に「竹バイオマスプラスチック」の製造をしました。
岩崎工業株式会社と覚書締結
竹バイオマスプラスチック製ごみ箱の製造・販売
実際にできた竹バイオマスプラスチックを使用した製品(ダストボックス)を岩崎工業株式会社に開発、販売をしていただきました。
令和2年度SDGs推進事業に位置付け
更なる対策の強化と桑名市のSDGsの具体的な取組のために新たな事業を展開しました。
桑名工業高校との連携事業
桑名工業高校の年間を通した授業に竹林整備・環境教育を取り入れてもらい、次代の担い手育成に取り組んでいます。NPO法人桑竹会を指導者として事業を展開しています。
ヒルカワ金属株式会社との連携協定締結
放置竹林対策の具体的な取組を公民連携で進めるため、ヒルカワ金属株式会社と「竹資源を活用したSDGs推進に関する連携協定」を令和2年12月7日に締結しました。
【「桑名竹取物語事業化協議会」との連携】
「桑名竹取物語事業化協議会」の設立
ヒルカワ金属株式会社を発起人とした「桑名竹取物語事業化協議会」が令和3年2月5日に設立されました。参加メンバーは桑名市のみならず県内、県外に所在地のある約30者が会員となり活動を進めています。また、三重大学や桑名工業高校も会員となっており、多様なメンバーで持続可能な仕組みづくりを進めています。
中学生との連携事業の紹介
桑名市の事業である令和3年度「中学生議会」で提案のあった「桑名産竹を使ったボールペン作り」を実現するために、発案者の中学生、同協議会、桑名工業高校の生徒が協働して「桑名の竹ボールペン」という商品を令和4年度に開発・販売をしました。500本の限定商品で、桑名市(木曽岬町)内の郵便局で発売されました。
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