更新日: 2022年2月1日

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桑名盆(かぶら盆)

桑名盆は、江戸時代より続いている桑名の漆(うるし)塗(ぬ)りの伝統工芸品です。

桑名藩主 松平定永の父 松平定信が、桑名盆にかぶらの絵を描かせて幕府へ献上(けんじょう)したことから、かぶらの絵が描かれるようになりました。そのころから、桑名盆は「かぶら盆」とも呼ばれるようになりました。

くわな盆
【桑名市指定文化財】《久波奈名所図会》(長圓寺蔵)のうち、「桑名盆」

くわな盆
1786《桑名盆「かぶら盆」》(桑名市博物館蔵)

一方、当時の桑名は、東海道の宿場町でもあり、渡船場(とせんば)でもあったため、たくさんの人が行き交い、休憩や宿泊をしました。この旅人たちの中でも桑名盆は土産物(みやげもの)として愛され、その当時、通ったオランダ人によって海外にも輸出されました。

そのころの桑名の様子が描かれている『久波奈名所図会』の中に桑名盆が描かれており、挿絵(さしえ)にはたくさんのかぶらが描かれたかぶら盆が並んでいます。

かぶらの絵が描かれた理由としては、様々な説がありますが、一つは、「菜根譚(さいこんたん)」という中国の古語(こご)から来ています。「菜根譚」とは、生活する上での戒(いまし)めの言葉として、蕪(かぶ)や大根などの高価なものではない野菜を食べ、日ごろから質素倹約に努めれば、人は成功するという意味が込められた言葉で、松平定信はこの言葉を重んじていたと言われています。また、一筆で描くかぶらの姿は「家庭円満(かていえんまん)」を表し、長い根は「子孫繁栄(しそんはんえい)」を表していると言われています。

昔は、桑名から嫁(とつ)ぐ花嫁に嫁入り道具の一つとして持たせる風習もあったそうです。現在は、ペットボトルが普及(ふきゅう)し、湯呑(ゆの)みと茶托(ちゃたく)でお茶を出す風景が減ってきました。お盆や茶たくの需要がなくなってきたため、桑名盆(かぶら盆)の継承が心配されています。

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